しらみは怖くない
薬が効かないアタマシラミはいるか?
最近、アタマジラミの薬剤抵抗性のことが、雑誌にとりあげられるなど、言われていますね。
アタマシラミに限らず、害虫や病原菌には薬剤抵抗性っていうのがあります。1年のうち何世代も代替わりしているうちに、薬に強くなるってことです。ようするに、薬で生き残ったやつらの子孫だから、薬に強いってこと。自然淘汰の理屈です。薬に弱いヤツラは子孫を残せず死んでしまうが、殺虫剤の嵐に耐え生き残った連中が何世代すると、その虫の集団には、まったく薬が効かなくなるってことです。
アタマジラミにも抵抗性が出ていると報告がありますが、極めて低い数字なので、全体として効かなくなっているという状況ではありません。
ただ、一種類の薬スミスリンを何十年も使っているわけですから、抵抗性の虫が出るのはあたり前です。どの程度の割合か、というのが問題になるわけです。
国立感染症研究所の見解は以下です
「16都道府県より採取した130人分のアタマシラミ295匹のうち、東京都、茨城県、長野県、兵庫県、香川県の5人から採取した10個体が抵抗性であることを確認しています(注:つまり、現段階ではほとんどのアタマジラミに対しては駆除剤が効くということを意味しています)。」
以上
害虫の抵抗性は、虫の集団ごとで発生しますので、東京ではアタマジラミにスミスリンが効かないくなっても、沖縄ではまだ効く、というふうに、抵抗性は地域差を伴って出現します。ですので、10個体が確認された段階で、抵抗性アタマジラミがいる!と騒ぐのは、少し煽りすぎでしょう
そうは言っても、同じ薬を全国で十何年も使い続ければ、早晩、抵抗性アタマジラミが急激に増える可能性はあると思います。これを防ぐには、クシやドライヤーなどを使ってスミスリンの使用回数を減らすか、あるいは、別な薬を開発する、ということになります。無農薬系の駆除剤の効果などについても公的機関がある程度調べてデーターを取る必要もあると思います。
まぁ、ムシの力は勢いがつきだしたらスゴイです。これが温暖化も一因だとすれば、人間にとっては自業自得ですね。
上記の国立感染症研究所では、アタマシラミの抵抗性調査の協力を全国に呼びかけています→詳細はこちらから⇒アタマジラミを送ってください
「保育園パンダ組の息子のアタマに・・!」⇒アタマジラミ体験記はこちらから
子育てに励むパパ。
5歳の長女(なな)と2歳の長男(たいき)を、保育園に通わせる自営業。仕事より子供と遊ぶのが優先
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